「今回は複数の比較を1回でやらない」というテーマで解説していきます。
BAD:複数の比較を1回にやらない
次のような例を見てください。
private void 複数の比較を1回のif文でやらない(int valueA, int valueB) { //BAD:複数の比較を1回にやらない if (valueA == 1 && valueB == 1) { //処理 } }
valueAとvalueBを「&&」でつないで比較しています。極力こういった書き方はしない方がいいと思います。今回の例では2個の比較ですが,3個4個とある場合や,ANDとORが混ざっていたり,小確固で優先される比較を囲ったりしている場合は,どんどんわかりづらくなり,非常にバグの元となります。
ANDの場合は階層を分ける
複数の比較をANDでつないで判定する場合は,階層を分けることで対処できます。
//複数の比較を1回のif文でやらない private void 複数の比較を1回のif文でやらない(int valueA, int valueB) { //BAD:複数の比較を1回にやらない if (valueA == 1 && valueB == 1) { //処理 } //ANDの場合 //NOTBAD:階層を分ける if (valueA == 1) { if (valueB == 1) { //処理 } } }
このように,valueAの判定を通過した場合のみvalueBの判定をするように,if文をネストすれば,if文の階層は深くなりますが,判断は1回ずつしか行わないため,&&で連結するよりもバグりにくいでしょう。
ORの場合
NOTBAD:複数の比較を1回にやらない
2つの判定をOR判定する場合は,先ほどのようにif文をネストしてやるわけにはいきませんね。valueAの判定がFalseでもvalueBの判定は行いたいわけですから,次のように「||」で連結して複数の判定をしなくてはなりません。
//ORの場合 //NOTBAD:複数の比較を1回にやらない if (valueA == 1 || valueB == 1) { //処理 }
ただ,この場合は,前述の通り,バグの温床になるので,次に紹介するメソッド化を検討するほういいでしょう。
GOOD:メソッド化を検討する
次に例は,IsWriteLosgというメソッドを作成して対応しています。
//複数の比較を1回のif文でやらない private void 複数の比較を1回のif文でやらない(int valueA, int valueB) { ・・・ //GOOD:メソッド化を検討する if (IsWriteLosg(valueA, valueB)) { //処理 } } private bool IsWriteLosg(int valueA, int valueB) { if (valueA == 1) { return true; } if (valueB == 1) { return true; } return false; }
IsWriteLosgメソッドの中では,valueAが1ならTrue,valueBが1でもTrueが返却されるようになっており,どちらかが1ならTrueになるため,最初の「valueA == 1 || valueB == 1」と同じ動作をします。動作は同じですが,メソッドの中で,1つずつ判定を行い,どちらかがTrueの場合はすぐにメソッドを抜けることで,1つの判定のみの実施になっており,読みやすさとバグの混入を防ぐ効果があります。
GOOD:ANDでもメソッド化を検討する
先ほどはORの場合はメソッド化で対応するというお話をしましたが,ANDで比較する場合もif文のネストではなく,メソッド化を検討した方がより良いといえます。
ANDとORが混ざっていたらなおさらメソッド化する
さらにANDとORが混ざっていたり,小括弧が付いていて,比較の優先順位が複雑になっているようなものは,なおさら,メソッド化を検討してください。