コレクション【C#】

C#文法:コレクション:C04_Listのコンストラクタ

今回はList<T>のコンストラクタを見ていきます。List<T>はnewするときに渡す引数によって、空の状態から始めることも、既存のコレクションの中身を引き継いだ状態から始めることもできます。それぞれの書き方と、コピーとして使う場合の挙動を順番に確認していきましょう。

検証用のボタンを追加する

これまでと同じように、フォームに検証用のボタンを1つ追加します。ボタンのテキストは「List<T>のコンストラクタ」とし、ダブルクリックしてクリックイベントのメソッドを生成します。

図1 「List<T>のコンストラクタ」ボタンを追加してダブルクリックする

図1 「List<T>のコンストラクタ」ボタンを追加してダブルクリックする

リスト1 生成されたクリックイベント

private void button16_Click(object sender, EventArgs e)
{
    //List<T>のコンストラクタ

}

List<T>のコンストラクタは3種類

List<T>のコンストラクタとは、new List<string>()と書いたときの丸括弧の部分のことです。new List<string>(まで入力すると、Visual Studioが引数の候補を表示してくれます。候補は全部で3つあり、1つ目は引数なしのコンストラクタです。

図2 1/3:引数なしのコンストラクタ List<string>()

図2 1/3:引数なしのコンストラクタ List<string>()

下向きの矢印で候補を切り替えると、2つ目はint型のcapacityを受け取るコンストラクタであることがわかります。

図3 2/3:int capacity を受け取るコンストラクタ

図3 2/3:int capacity を受け取るコンストラクタ

3つ目はIEnumerable<T>型のcollectionを受け取るコンストラクタです。Tは型パラメーターなので、List<string>であればIEnumerable<string>を渡すことになります。

図4 3/3:IEnumerable<string> collection を受け取るコンストラクタ

図4 3/3:IEnumerable<string> collection を受け取るコンストラクタ

整理すると、List<T>には次の3つの渡し方があります。

リスト2 List<T>の3つのコンストラクタ

public List();                           //引数なし
public List(int capacity);               //初期容量を指定
public List(IEnumerable<T> collection);  //コレクションを指定

本章ではこのうち、もっともよく使う「引数なし」と、コピーに使える「IEnumerable<T>を指定する」書き方を実際に動かして確認します。

引数なしのコンストラクタ

まずは引数なしからです。これは空のList<T>を作ってスタートする、もっとも基本的な書き方です。生成した直後は要素が1件もないので、必要に応じてAddで要素を追加していきます。

リスト3 引数なしで生成して要素を追加する

//List<T>のコンストラクタ
var list = new List<string>();
list.Add("X");

図5 引数なしで生成し、Addで要素を追加する

図5 引数なしで生成し、Addで要素を追加する

初期化子で初期値を入れる

コンストラクタに何も渡さなくても、初期化子を使えば初期値を入れることができます。コンストラクタの丸括弧は空のままにして、その後ろに中括弧を付け、カンマ区切りで要素を並べます。

リスト4 初期化子で初期値を設定する

var aList = new List<string>() { "AAA","B","CC"};

ブレークポイントを置いて実行し、aListにマウスカーソルを合わせてみます。Count = 3となっており、インデックス0から順に”AAA”、”B”、”CC”が入っていることが確認できます。

図6 データヒントで確認すると、初期値の3件が入っている

図6 データヒントで確認すると、初期値の3件が入っている

つまり、空っぽから始めればよい場合は引数なしのコンストラクタだけ、最初から値を入れておきたい場合は引数なしのコンストラクタに初期化子を付ける、という使い分けになります。

IEnumerable<T>を指定するコンストラクタ

次は、コンストラクタの第1引数にIEnumerable<T>を指定する書き方です。IEnumerable<T>ということは、何かしらのコレクションを意味します。配列やList<T>などがそれにあたります。これらを指定すると、そこから要素を読み取って新しいList<T>を作成してくれます。

リスト5 IEnumerable<T>を指定して生成する

//コンストラクタ:IEnumerable<T>
//IEnumerable<T>から要素を読み取り、新しいList<T>を作成する
var bList = new List<string>(aList);

図7 先ほどのaListを第1引数に渡してbListを生成する

図7 先ほどのaListを第1引数に渡してbListを生成する

List<T>はIEnumerable<T>を実装している

ここでaListを渡せるのは、List<T>がIEnumerable<T>を実装しているからです。Listにカーソルを置いてF12キーを押すと定義に移動でき、クラス宣言を見ると実装しているインターフェースの中にIEnumerable<T>があることがわかります。

図8 F12でList<T>の定義に移動すると、IEnumerable<T>が実装されている

図8 F12でList<T>の定義に移動すると、IEnumerable<T>が実装されている

リスト6 List<T>のクラス宣言(メタデータより)

public class List<T> : ICollection<T>, IEnumerable<T>, IEnumerable,
    IList<T>, IReadOnlyCollection<T>, IReadOnlyList<T>, ICollection, IList

このIEnumerable<T>が実装されていれば、コンストラクタに渡すことができます。配列やList<T>といったコレクション系のものは基本的に渡せる、と考えておけば大丈夫です。

連動しないコピーになる

この書き方をすると、配列をArray.Copyでコピーしたときと同じように、参照代入の問題が起きないコピーになります。要するに、コピー元とコピー先が連動しません。そのため、bListにAddしても元ネタのaListには影響しないはずです。

リスト7 コピー先に要素を追加する

var bList = new List<string>(aList);
//Array.Copyのようにコピーできる(参照代入ではないやり方)
bList.Add("D");//元ネタに影響がない

実行してウォッチウィンドウでaListとbListを並べて確認します。bList.Add("D")を実行すると、bListはCount = 4となり、末尾に”D”が追加されています。

図9 bListには"D"が追加されてCount = 4になる

図9 bListには”D”が追加されてCount = 4になる

一方でaListのほうは変わっていません。3件のままです。aListをbListにコピーしたうえでbListを変更しても、元ネタには影響が出ないことが確認できました。

図10 aListはCount = 3のままで、元ネタには影響していない

図10 aListはCount = 3のままで、元ネタには影響していない

比較のために、コンストラクタを使わずに単純に代入した場合を示しておきます。こちらは同じList<T>を2つの変数が指しているだけなので、片方にAddするともう片方にも反映されてしまいます。

リスト8 参考:参照代入の場合は連動してしまう

var aList = new List<string>() { "AAA","B","CC"};

var xList = aList;                    //参照代入
xList.Add("D");                       //aListも4件になる(連動する)

var bList = new List<string>(aList);  //コンストラクタでコピー
bList.Add("E");                       //aListは変わらない(連動しない)

配列を渡してもよい

コンストラクタに渡すものはList<T>でなくても構いません。IEnumerable<T>が実装されていればよいので、stringの配列でも同じように書けます。配列haiを用意し、それをcListのコンストラクタに渡してみます。

リスト9 配列からList<T>を生成する

var hai = new string[2] { "X", "YY" };
var cList = new List<string>(hai);
cList.Add("XXX");

図11 コンストラクタの第1引数に配列haiを渡す

図11 コンストラクタの第1引数に配列haiを渡す

この場合も連動しないはずです。実行して確認すると、cListには”XXX”が追加されてCount = 3になっています。

図12 cListには"XXX"が追加されてCount = 3になる

図12 cListには”XXX”が追加されてCount = 3になる

元ネタである配列haiのほうはstring[2]のままで、”X”と”YY”の2件から変化していません。

図13 元ネタの配列haiは2件のままで影響を受けていない

図13 元ネタの配列haiは2件のままで影響を受けていない

このように、既存のコレクションをコピーして新しいList<T>を作りたいときは、コンストラクタの第1引数にそのコレクションを入れればよい、ということです。

ToListでもコピーできる

もう1つ、ToListメソッドを使ってもコピーできます。配列haiに対してToList()を呼び出し、その結果をList<string>型のcList2で受け取ります。

リスト10 ToListでコピーする

//ToList()でもコピーできる
List<string> cList2 = hai.ToList();
cList2.Add("YYY");

図14 配列haiに対してToList()を呼び出す

図14 配列haiに対してToList()を呼び出す

こちらも実行して確認します。cList2には”YYY”が追加されてCount = 3になっています。

図15 cList2には"YYY"が追加されてCount = 3になる

図15 cList2には”YYY”が追加されてCount = 3になる

そして元ネタの配列haiは、やはり変化していません。ToListもコンストラクタと同じく、連動しないコピーを作ってくれることがわかります。

図16 配列haiは2件のままで変化していない

図16 配列haiは2件のままで変化していない

まとめ

今回書いたコードの全体は次のとおりです。

リスト11 今回のコード全体

private void button16_Click(object sender, EventArgs e)
{
    //List<T>のコンストラクタ
    var list = new List<string>();
    list.Add("X");

    var aList = new List<string>() { "AAA","B","CC"};

    //コンストラクタ:IEnumerable<T>
    //IEnumerable<T>から要素を読み取り、新しいList<T>を作成する
    var bList = new List<string>(aList);
    //Array.Copyのようにコピーできる(参照代入ではないやり方)
    bList.Add("D");//元ネタに影響がない

    var hai = new string[2] { "X", "YY" };
    var cList = new List<string>(hai);
    cList.Add("XXX");

    //ToList()でもコピーできる
    List<string> cList2 = hai.ToList();
    cList2.Add("YYY");
}

図17 完成したコード

図17 完成したコード

空の状態から始めるなら引数なしのコンストラクタ、初期値を入れたいなら初期化子を使います。そして既存のコレクションをコピーしたいときは、ToListでコピーするか、もしくはコンストラクタの第1引数にIEnumerable<T>を渡してください。どちらの方法でも、元ネタと連動しない新しいList<T>が得られます。

C#文法:コレクション

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