前回はテストコードを記述しました。そのため現在はテストがレッドバー(NG)になっている状態です。原因はSearchメソッドが未実装だからですね。今回はテストを通すために,本番コードの実装を進めていきましょう。
インタフェースの必要性
テストコードの中には,現在次のような記述がありますね。
vm.AreaIdText.Is(“0001”);
vm.MeasureDateText.Is(“2012/12/12 12:34:56”);
vm.MeasureValueText.Is(“12.34℃”);
これらの値や日付は,実際にはSqlServerなどのデータベースから値を取得する想定ですが,テストコードでの検証時にはデータベースを使用しません。実際のデータベースに接続してしまうと,テストごとに各テーブルの状態を再作成しないといけませんし,それらの環境が整っているPCでないとテストが成功しないことになってしまいます。そうならないようし,Moqというツールを使って,テストデータはインタフェース越しに,取得する方法を解説します。
Repositoriesの作成
インタフェースが必要といいましたが,データベースのような外部から値を取得する際は,必ずインタフェースを使います。そして外部から値を運んでくる場合はRepositoriesというフォルダーにインタフェースを入れます。今回はMeasureという計測値の入っているテーブルから値を取得する想定なので,「IMeasureRepository」という名前で作成します。
まず,ドメインプロジェクトに「Repositories」フォルダーを作成しましょう。
ドメインプロジェクトのデフォルトで作成される「Class1」クラスは不要なので削除します。
ドメインプロジェクトを右クリックして「追加」「新しいフォルダー」を選択し,新規フォルダーを追加し,名前を「Repositories」に変更します。
フォルダーができたら,インタフェースを「IMeasureRepository」という名前で追加します。次のようなフォルダー階層になります。
IMeasureRepositoryの実装
IMeasureRepositoryには次のようにコーディングします。
GetLatestというMeasureテーブルから直近値を返す想定のメソッドです。戻り値は,MeasureEntityです。Entityはデータベースの1行分のデータと思ってもらってOKです。データベースから取得した値を入れるクラスと思っておいてください。
namespace NDDD.Domain.Ripositories { public interface IMeasureRepository { MeasureEntity GetLatest(); } }
MeasureEntityはまだ作成していないので,コンパイルエラーとなります。次回よりEntityの作成を行います。
#02_プロジェクトの追加
#03_依存関係
#04_ドメイン駆動開発でApplication層は必要?
#05_Domainのフォルダー構成
#06_Infrastructureのフォルダー構成
#07_WinFormのフォルダー構成
#08_Testsのフォルダー構成
#09_テスト駆動で実装するための事前準備
#10_テストコードとViewModelの追加
#11_テストコードを追加する
#12_ Repositoriesフォルダーの作成
#13_ Entitiesフォルダーの作成
#14_ Mockの作成
#15_フォーム画面の作成
#16_画面のコントロールデータバインドする
#17_Fakeを使ってタミーデータを画面に表示させる
#18_Fakeデータを画面に通知する
#19_PropertyChangedの方法を変更する
#20_Fakeとデータベースの値を切り替える方法
#21_Sharedクラスを作成する
#22_クラスを生成するファクトリークラスを作る
#23_#if DEBUGでFakeデータがリリースされないようにする
#24_DEBUGモードであることをわかりやすくしておく
#25_Factories以外から生成できないようにしておく
#26_Factoriesの呼び出しはViewModelで行う
#27_外部の設定ファイルの値で判断する
#28_Fakeデータを切り替える方法
#29_FakePathを設定ファイルとSharedに移す
#30_Fakeデータのバリエーション
#31_Shareクラスの活用方法
#32_ベースフォームを作る
#33_SharedにログインIDを記憶する
#34_BaseFormでログインユーザーを表示する
#35_ValueObject
#36_ValueObjectを作成する
#37_抽象クラスValueObjectを使用してイコールの問題の解消
#38_AreaIdにビジネスロジックを入れる
#39_AreaIdクラスをEntityに乗せる
#40_MeasureDateの作成
#41_MeasureValueの作成
#42_オブジェクト指向の自動化
#43_Repositoryの具象クラス
#44_例外処理
#45_例外の作成
#46_インナーエクセプション
#47_例外の欠点
#48_メッセージの区分
#49_エラー処理の共通化
#50_ログの出力
#51_タイマー処理はどこに置く?
#52_タイマークラスの作成
#53_StaticValues
#54_Logics
#55_Helpers
#56_Module
#57_トランザクションはどこでかける?
#58_特徴を見極める
#59_さいごに