以前のレクチャーでFakeについて解説しました。MeasureFakeを作りましたね。実際にはデータベースに接続して,Measureというテーブルを検索する構想ですが,データベースが存在しなくてもいろんな値でテストできるようにMeasureFakeを作成しました。Fakeはプロトタイプとしてお客さんに見せるときにも使えます。今回はそのFakeと本番コードであるSqlServerのクラスとの切り替え方法を解説していきます。
SqlServerフォルダーを作成する
まずは本番コードのSqlServerのクラスを置く場所としてSqlServerフォルダーをInfrastructureに作成します。
Infrastructureのプロジェクトを右クリックして,「追加」「新しいフォルダー」を選択して,フォルダーを作成し,名前を「SqlServer」とします。このInfrastructureのフォルダー構成はテクノロジーごとに作ります。SqlServerとOracleがあったら,それぞれでフォルダーを作ります。あとCsvとか,外部と接触するテクノロジーごとに分割します。
MeasureSqlServerクラスを作成する
作成した「SqlServer」フォルダーの中に「MeasureSqlServer」クラスを作成します。
SqlServerフォルダーで右クリックをして「追加」「クラス」の順で選択し,「MeasureSqlServer」クラスを作成してください。
MeasureSqlServerクラスを作成したら,次のように記述します。
using NDDD.Domain.Ripositories; using System; namespace NDDD.Infrastructure.SqlServer { public sealed class MeasureSqlServer : IMeasureRepository { } }
ここまで書いたら,IMeasureRepositoryがGetLatestの未実装エラーとなり,コンパイルエラーとなります。IMeasureRepositoryにカーソルを当ててctrl+ドットキーを押下してEnterを押すと,次のコードが自動生成されます。自動生成がうまくいかない場合は手入力してください。
using NDDD.Domain.Entities; using NDDD.Domain.Ripositories; using System; namespace NDDD.Infrastructure.SqlServer { public sealed class MeasureSqlServer : IMeasureRepository { public MeasureEntity GetLatest() { throw new NotImplementedException(); } } }
自動生成でGetLatestを作成するとNotImplementedExceptionの例外が通知されるようになります。これは未実装の例外です。今回,SqlServerの実装は遅らせて実装する構想なので,この未実装例外はそのまま置いておいてください。そうしておいたほうが,今後,間違えて使用したときに,すぐに未実装であることが気付けるようになります。
View側の状況
現在LatestViewの実装を見ると,MeasureFakeを生成することが固定になっています。
private LatestViewModel _viewModel = new LatestViewModel(new MeasureFake());
これではMeasureFakeにしか繋がらないので,ここをFakeかSqlServerに繋ぐのかを切り替えるようにしないといけないので,そのあたりを次回は見ていきたいと思います。
#02_プロジェクトの追加
#03_依存関係
#04_ドメイン駆動開発でApplication層は必要?
#05_Domainのフォルダー構成
#06_Infrastructureのフォルダー構成
#07_WinFormのフォルダー構成
#08_Testsのフォルダー構成
#09_テスト駆動で実装するための事前準備
#10_テストコードとViewModelの追加
#11_テストコードを追加する
#12_ Repositoriesフォルダーの作成
#13_ Entitiesフォルダーの作成
#14_ Mockの作成
#15_フォーム画面の作成
#16_画面のコントロールデータバインドする
#17_Fakeを使ってタミーデータを画面に表示させる
#18_Fakeデータを画面に通知する
#19_PropertyChangedの方法を変更する
#20_Fakeとデータベースの値を切り替える方法
#21_Sharedクラスを作成する
#22_クラスを生成するファクトリークラスを作る
#23_#if DEBUGでFakeデータがリリースされないようにする
#24_DEBUGモードであることをわかりやすくしておく
#25_Factories以外から生成できないようにしておく
#26_Factoriesの呼び出しはViewModelで行う
#27_外部の設定ファイルの値で判断する
#28_Fakeデータを切り替える方法
#29_FakePathを設定ファイルとSharedに移す
#30_Fakeデータのバリエーション
#31_Shareクラスの活用方法
#32_ベースフォームを作る
#33_SharedにログインIDを記憶する
#34_BaseFormでログインユーザーを表示する
#35_ValueObject
#36_ValueObjectを作成する
#37_抽象クラスValueObjectを使用してイコールの問題の解消
#38_AreaIdにビジネスロジックを入れる
#39_AreaIdクラスをEntityに乗せる
#40_MeasureDateの作成
#41_MeasureValueの作成
#42_オブジェクト指向の自動化
#43_Repositoryの具象クラス
#44_例外処理
#45_例外の作成
#46_インナーエクセプション
#47_例外の欠点
#48_メッセージの区分
#49_エラー処理の共通化
#50_ログの出力
#51_タイマー処理はどこに置く?
#52_タイマークラスの作成
#53_StaticValues
#54_Logics
#55_Helpers
#56_Module
#57_トランザクションはどこでかける?
#58_特徴を見極める
#59_さいごに