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ドメイン駆動開発_フォルダー構成編_#37_抽象クラスValueObjectを使用してイコールの問題の解消

参照型の為,イコールで比較するとAreaIdの3と他のインスタンスのAreaIdの3は,異なるものと判断されます。

値として扱うなら,同じものと判定したいので,イコールメソッドのオーバーライドをします。これは次のValueObject抽象クラスを作成し,各ValueObjectでそれらを継承することで解消できます。

ValueObject抽象クラスの追加

ValueObjectsフォルダーにクラスを追加します。

クラスの名前は「ValueObject」とします。

ValueObjectのコーディング

作成したクラスに次のようにコーディングします。

namespace DDD.Domain.ValueObjects
{
    public abstract class ValueObject where T : ValueObject
    {
        public override bool Equals(object obj)
        {
            var vo = obj as T;
            if (vo == null)
            {
                return false;
            }

            return EqualsCore(vo);
        }

        public static bool operator ==(ValueObject vo1,
            ValueObject vo2)
        {
            return Equals(vo1, vo2);
        }

        public static bool operator !=(ValueObject vo1,
           ValueObject vo2)
        {
            return !Equals(vo1, vo2);
        }

        protected abstract bool EqualsCore(T other);

        public override string ToString()
        {
            return base.ToString();
        }

        public override int GetHashCode()
        {
            return base.GetHashCode();
        }
    }
}

この抽象クラスの中で,Equalsと==の時に,参照型のクラスを値で比較する処理を入れているので,各ValueObjectは,この抽象クラスを継承し,EqualsCoreを実装することで,イコールの問題は解消されます。

AreaIdクラスで継承する

AreaIdクラスを次のように変更します。

namespace NDDD.Domain.ValueObjects
{
    public sealed class AreaId : ValueObject
    {
        public AreaId(int value)
        {
            Value = value;
        }

        public int Value { get; }

        protected override bool EqualsCore(AreaId other)
        {
            return this.Value == other.Value;
        }
    }
}

ValueObjectクラスを継承すると,EqualsCoreを実装するように強制されるので,その中で,クラスの比較ではなく,Valueというintの値で比較することで,イコールの問題は解消されます。 今後ValueObjectを作る時は,この抽象クラスを継承するという事を覚えておいてください。

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#36_ValueObjectを作成する
#37_抽象クラスValueObjectを使用してイコールの問題の解消
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