例外とは?
例外とは、エラー通知の事です。コーディングミスや、ユーザーの操作により、プログラムの続行が不可能となった場合は、ランタイムは例外を通知します。プログラマーは例外の通知をcatch構文で取得し、処理が続行できると判断した場合を続けることも可能です。
書き方
例外を捕捉する場合はtry、catch、finallyの構文を書きます。tryステートメントの中で例外が発生した場合は、catchステートメントに落ちてきます。finallyステートメントは、例外の有無にかかわらずに通る場所になるので、メモリの解放等、必ず必要な処理を記述するときに使用します。
例外の種類
例外はランタイムが通知するものと、我々プログラマーが自作するものがあります。
ランタイムが通知するものは、インデックスの境界外にアクセスしたときや、Nullにアクセスした場合などに次のような例外が通知されます。
- SystemException
- IndexOutOfRangeException
- NullReferenceException
- FormatException
- DivideByZeroException
- OverflowException等
例外を自作する場合
例外を自作する場合は、任意のクラスを作成し、Exceptionクラスを継承します。
ExceptionクラスにはMessageやInnerExceptionを指定できるため、必要な場合は自作Exceptionにコンストラクタを追加します。
例外の通知
任意の場所で例外を通知する場合はthrowキーワードを使って通知します。
throw new MyException(“xxxxx”);
サンプルコード
namespace CS30 { public class Counter { private List _values = new List(); public int GetData(int index) { return _values[index]; } public int GetData2(int index) { try { return _values[index]; } catch(ArgumentOutOfRangeException ex) { throw new MyException("マイエクセプション", ex); } } public int GetData3(int index) { return _values[index]; } } }
_valuesには値を設定していないので、インデックス指定をすると必ず例外が発生します。GetDataメソッドはcatchをしていないので、そのまま呼び出し元に通知されます。呼び出し元でもcatchしていない場合はアプリケーションが停止します。GetData2ではArgumentOutOfRangeExceptionで受けた例外をMyExceptionに変換しています。その際に、独自のメッセージと、ArgumentOutOfRangeExceptionをInnerExceptionに設定しています。InnerExceptionに設定しておくことで、元々の発生原因の例外を保持できるため、ログ出力等に使用できます。
namespace CS30 { public class MyException : Exception { public MyException(string message) : base(message) { } public MyException(string message,Exception innerException) : base(message, innerException) { } } }
独自の例外はExceptionを継承し、Exceptionクラスのコンストラクタに存在するメッセージとインナーエクセプションを設定できるようにしています。
namespace CS30 { public partial class Form1 : Form { public Form1() { InitializeComponent(); } private void button1_Click(object sender, EventArgs e) { Counter c = new Counter(); c.GetData(10); } private void button2_Click(object sender, EventArgs e) { try { Counter c = new Counter(); c.GetData(10); } catch(ArgumentOutOfRangeException ex) { this.Text = "インデックスのエラー"; } } private void button3_Click(object sender, EventArgs e) { try { Counter c = new Counter(); c.GetData2(10); } catch (MyException ex) { this.Text = ex.Message; Console.WriteLine(ex.InnerException.Message); } } } }
ボタンクリックの1では例外がどこでも捕捉されていないため、アプリケーションが終了します。ボタンクリックの2ではArgumentOutOfRangeExceptionがピンポイントで捕捉されているため、catchで書かれた処理が実施され、エラーにはなりません。 ボタンクリックの3では独自のMyExceptionが通知され、任意のメッセージと発生原因であるArgumentOutOfRangeExceptionのメッセージがコンソールに出力されます。
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