前回はテストクラスとViewModelのクラスを作成しました。今回はテストコードを追記していきます。
画面イメージ
実際に作成する画面イメージは次のようなものになります。だた,今回はテスト駆動開発で作成するので,次のような画面を作る場合に,どのようなテストとViewModelが必要かを考え,それに付随するドメイン層やインフラ層のコードも作成していきます。
画面の動作を考えながらテストコードを記述する
前述の画面を思い浮かべながら,テストコードを記述していきます。まず,「Search」ボタンを押下すると,Measureテーブルを検索して,「エリアID」「計測日時」「計測値」を取得し,画面に表示するという仕様を考えてみましょう。今回はドメイン駆動開発のフォルダー構成を考えるのが目的なので,サンプルにする仕様はできるだけシンプルなのがいいですね。
Searchを呼び出すと,ViewModelの各テキストに直近値の値が入るテストコードを書きましょう。次のようになります。
using System; using Microsoft.VisualStudio.TestTools.UnitTesting; using NDDD.WinForm.ViewModels; namespace NDDDTest.Tests.ViewModelTests { [TestClass] public class LatestViewModelTest { [TestMethod] public void シナリオ() { var vm = new LatestViewModel(); vm.Search(); vm.AreaIdText.Is("0001"); vm.MeasureDateText.Is("2012/12/12 12:34:56"); vm.MeasureValueText.Is("12.34℃"); } } }
まず,ViewModelのSearchを呼び出します。そうすると,ViewModelの各プロパティの値が,先ほどの画面イメージのテキストボックスのように値がはまることを期待して,テストコードを書きます。vm.AreaIdText.Is(“0001”)という記述は,「ViewModelのAreaIdTextは文字列の0001である」という意味になり,テストを実施したときに,そうでない場合はNGとなるテストコードです。
現状SearchメソッドもAreaIdText等のプロパティもViewModelに存在しないため,コンパイルエラーとなります。繰り返しになりますが,テスト駆動開発とは,このように実際のメソッドやプロパティを作成する前に,テストコード側で記載し,コンパイルエラーをなくしながら本番コードを書いて行きます。そしてこれらのコンパイルエラーは,VisualStudioのテスト駆動開発支援の自動生成機能で,自動生成させることができます。
自動生成機能でメソッドやプロパティを作成する
テストコードでコンパイルが出ている場所で「Ctrl+ドット」を押下し,Enterキーを押すと,自動でメソッドやプロパティが生成されます。試してみてください。自動生成されたら,プロパティにカーソルを当てて「F12」キーを押下するか,LatestViewModelのファイルをダブルクリックして,LatestViewModelクラスを表示しましょう。
using System; namespace NDDD.WinForm.ViewModels { public class LatestViewModel : ViewModelBase { public object AreaIdText { get; set; } public object MeasureDateText { get; set; } public object MeasureValueText { get; set; } public void Search() { throw new NotImplementedException(); } } }
コードが自動生成されているのが確認できると思います。 AreaIdTextなどのプロパティが「object」型になっているため,「string」に変更しましょう。
using System; namespace NDDD.WinForm.ViewModels { public class LatestViewModel : ViewModelBase { public string AreaIdText { get; set; } public string MeasureDateText { get; set; } public string MeasureValueText { get; set; } public void Search() { throw new NotImplementedException(); } } }
ここまでで,コンパイルエラーが無くなるので,テストを実行してみましょう。 当然テストはNG(レッドバー)になります。Searchメソッドには未実装例外が発行されていますし,直近値などの値の取得も設定もしていませんから当然です。次回からは,このテストコードがグリーンバーになるように実装を進めていきます。
#02_プロジェクトの追加
#03_依存関係
#04_ドメイン駆動開発でApplication層は必要?
#05_Domainのフォルダー構成
#06_Infrastructureのフォルダー構成
#07_WinFormのフォルダー構成
#08_Testsのフォルダー構成
#09_テスト駆動で実装するための事前準備
#10_テストコードとViewModelの追加
#11_テストコードを追加する
#12_ Repositoriesフォルダーの作成
#13_ Entitiesフォルダーの作成
#14_ Mockの作成
#15_フォーム画面の作成
#16_画面のコントロールデータバインドする
#17_Fakeを使ってタミーデータを画面に表示させる
#18_Fakeデータを画面に通知する
#19_PropertyChangedの方法を変更する
#20_Fakeとデータベースの値を切り替える方法
#21_Sharedクラスを作成する
#22_クラスを生成するファクトリークラスを作る
#23_#if DEBUGでFakeデータがリリースされないようにする
#24_DEBUGモードであることをわかりやすくしておく
#25_Factories以外から生成できないようにしておく
#26_Factoriesの呼び出しはViewModelで行う
#27_外部の設定ファイルの値で判断する
#28_Fakeデータを切り替える方法
#29_FakePathを設定ファイルとSharedに移す
#30_Fakeデータのバリエーション
#31_Shareクラスの活用方法
#32_ベースフォームを作る
#33_SharedにログインIDを記憶する
#34_BaseFormでログインユーザーを表示する
#35_ValueObject
#36_ValueObjectを作成する
#37_抽象クラスValueObjectを使用してイコールの問題の解消
#38_AreaIdにビジネスロジックを入れる
#39_AreaIdクラスをEntityに乗せる
#40_MeasureDateの作成
#41_MeasureValueの作成
#42_オブジェクト指向の自動化
#43_Repositoryの具象クラス
#44_例外処理
#45_例外の作成
#46_インナーエクセプション
#47_例外の欠点
#48_メッセージの区分
#49_エラー処理の共通化
#50_ログの出力
#51_タイマー処理はどこに置く?
#52_タイマークラスの作成
#53_StaticValues
#54_Logics
#55_Helpers
#56_Module
#57_トランザクションはどこでかける?
#58_特徴を見極める
#59_さいごに