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ドメイン駆動開発_フォルダー構成編_#35_ValueObject

ここからはDomain層を詳しく見ていきましょう。現状フォルダーは,EntitiesとRepositoriesがあるだけです。ValueObjectsというものを作っていきましょう。

ValueObjectとは?

ValueObjectとは値のクラスです。

例えばMeasureEntityのMeasureValueはfloat型になっていますが,float型だと,MeasureValueに対する編集処理等を書く場所がありません。

MeasureValueは小数点以下2桁表示とか,単位が決まっていたとしても,float型では書く場所がないので,別の場所に書く必要があります。

計測区分があったとして・・・

計測区分があったとして, MeasureKindでint型にしたとします。

データベースの仕様上,MeasureKindが1の時は温度,2の時は湿度だったとしましょう。でもint型にしてしまったら,ビジネスロジックはどこに書けばいいでしょうか?書く場所がないので,どこか別の場所に書くことになります。別の場所に書いてしまうと,プログラマーごとに,色々なところに書きだします。ドメインに書いたり,ViewModelに書いたりします。

そうではなくて,値そのものに,ロジックは書く必要があります。MeasureKindにまつわることは,MeasureKindに書くのです。そうすると,プログラマーの迷いはなくなります。ロジックの住処になります。

オブジェクト指向的に言うと,これをカプセル化と呼んでいますが,値とロジックを一体型にしないといけないのです。自分の値に対するロジックを自分で表現するのです。

計測区分1は温度,2は湿度という区分があった場合,データベースには1か2という値が入っているだけです。それでは1が温度という情報はC#の中でしっかり管理しておかないと,意味の解らないプログラムになります。例えばエクセルの仕様書で1は温度としていても,C#の中のどこかで定義していないと,読みづらいプログラムになり,計測区分を判断するロジックがアプリケーソン中に散らばってしまいます。それを防ぐために,計測区分にまつわることは,計測区分というクラスのなかで,すべて書いてしまうのが,見通しのいいプログラムという事になります。その中で,温度の単位や,小数点以下の表示桁数なども表現していきます。

こうすることで,ビジネスロジックが散らばることを防ぎます。ValueObjectは,値が1つの物と,複数の物がありますが,基本的には,データベースの列をValueObjectにするのが,自動的にオブジェクト指向的プログラミングになるので,簡単でシンプルで,友好的です。今後は,MeasureEntityにある項目をすべてValueObjectにしていきましょう。

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#01_プロジェクトの作成

#02_プロジェクトの追加
#03_依存関係
#04_ドメイン駆動開発でApplication層は必要?
#05_Domainのフォルダー構成
#06_Infrastructureのフォルダー構成
#07_WinFormのフォルダー構成
#08_Testsのフォルダー構成
#09_テスト駆動で実装するための事前準備
#10_テストコードとViewModelの追加
#11_テストコードを追加する
#12_ Repositoriesフォルダーの作成
#13_ Entitiesフォルダーの作成
#14_ Mockの作成
#15_フォーム画面の作成
#16_画面のコントロールデータバインドする
#17_Fakeを使ってタミーデータを画面に表示させる
#18_Fakeデータを画面に通知する
#19_PropertyChangedの方法を変更する
#20_Fakeとデータベースの値を切り替える方法
#21_Sharedクラスを作成する
#22_クラスを生成するファクトリークラスを作る
#23_#if DEBUGでFakeデータがリリースされないようにする
#24_DEBUGモードであることをわかりやすくしておく
#25_Factories以外から生成できないようにしておく
#26_Factoriesの呼び出しはViewModelで行う
#27_外部の設定ファイルの値で判断する
#28_Fakeデータを切り替える方法
#29_FakePathを設定ファイルとSharedに移す
#30_Fakeデータのバリエーション
#31_Shareクラスの活用方法
#32_ベースフォームを作る
#33_SharedにログインIDを記憶する
#34_BaseFormでログインユーザーを表示する
#35_ValueObject
#36_ValueObjectを作成する
#37_抽象クラスValueObjectを使用してイコールの問題の解消
#38_AreaIdにビジネスロジックを入れる
#39_AreaIdクラスをEntityに乗せる
#40_MeasureDateの作成
#41_MeasureValueの作成
#42_オブジェクト指向の自動化
#43_Repositoryの具象クラス
#44_例外処理
#45_例外の作成
#46_インナーエクセプション
#47_例外の欠点
#48_メッセージの区分
#49_エラー処理の共通化
#50_ログの出力
#51_タイマー処理はどこに置く?
#52_タイマークラスの作成
#53_StaticValues
#54_Logics
#55_Helpers
#56_Module
#57_トランザクションはどこでかける?
#58_特徴を見極める
#59_さいごに