NDDD

ドメイン駆動開発_フォルダー構成編_#42_オブジェクト指向の自動化

オブジェクト指向的にプログラミングしましょうといっても,どういう状態がそうなのか難しいし,抽象的すぎます。そこにはある一定のルールや見本が必要です。

そもそもオブジェクト指向という概念が技術者ごとに異なるので,どのような実装がオブジェクト指向的かという意識を合わせるのが大変です。

そこで,私はこのドメイン駆動開発のドメインパターンを使って,どのような考え方にすれば,技術者ごとのばらつきがなく,自動的にクラス分けができて,だれが作っても同じになる実装方法がないかを考えました。現状次のようになるのが一番,安定して,統一したクラス分けができて,非常にオブジェクト指向的にコーディングができると思っています。

ValueObjectはデータベースの列

まず,データベースのテーブルの列をValueObjectにします。基本的に1つの列を1つのValueObjectにします。異なるテーブルでも,列名が同じ場合は同じValueObjectとして,1つだけ作ります。列名が同じなのに,ビジネスロジックが異なるというものはDB設計の時点でなくします。列名が同じということは,同じビジネスロジックにします。

ValueObjectは複数の項目で成り立つこともありますが,機械的に行うなら,データベースの列を全部ValueObjectにしてしまえば,技術者のレベルの差がなく,全体がオブジェクト指向的なプログラムになります。

Entityはデータベースの行

データベースからSelectしてきた1行のデータを1つのEntityにします。そのEntityの中のプロパティ項目はValueObjectになるようにします。

Entityをデータベースの1行を表現するようにすれば,機械的にEntityを作成することができます。つまり,データベースのSelect文で取得する項目の集まりがEntity,その各項目がValueObjectとすれば簡単にオブジェクト指向的プログラミングになります。

Entityの入れ物以外の使い方

Entityをただの値を運ぶ入れ物だけにするのは,非常にもったいないです。Entityの中にある項目同士でのビジネスロジックはEntityに入れます。例えば「MeasureDateがシステム日時の7日以内で,MeasureValueの値が0より大きい時は有効にする」などという複合的な項目で成り立つビジネスロジックを書く場所とします。

また,ToCsvDataなど,Entityを別のクラスにコンバートするような場合も,Entityに記載すればいいでしょう。

外部接触はRepository

アプリケーションの外側と接触する場合はRepository経由で取得するようにします。データベースやファイル,PC間通信など,外部から値を取得する場合,外部に値を送る場合はすべてRepositoryを挟みます。

この3つのパターンの組み合わせで,技術者のレベルに関係なく,アプリケーションの85%くらいが自動的にオブジェクト指向的プログラミングになっていき,技術者の力量に関係なく,自動的にクラス分けが行われていきます。

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#01_プロジェクトの作成

#02_プロジェクトの追加
#03_依存関係
#04_ドメイン駆動開発でApplication層は必要?
#05_Domainのフォルダー構成
#06_Infrastructureのフォルダー構成
#07_WinFormのフォルダー構成
#08_Testsのフォルダー構成
#09_テスト駆動で実装するための事前準備
#10_テストコードとViewModelの追加
#11_テストコードを追加する
#12_ Repositoriesフォルダーの作成
#13_ Entitiesフォルダーの作成
#14_ Mockの作成
#15_フォーム画面の作成
#16_画面のコントロールデータバインドする
#17_Fakeを使ってタミーデータを画面に表示させる
#18_Fakeデータを画面に通知する
#19_PropertyChangedの方法を変更する
#20_Fakeとデータベースの値を切り替える方法
#21_Sharedクラスを作成する
#22_クラスを生成するファクトリークラスを作る
#23_#if DEBUGでFakeデータがリリースされないようにする
#24_DEBUGモードであることをわかりやすくしておく
#25_Factories以外から生成できないようにしておく
#26_Factoriesの呼び出しはViewModelで行う
#27_外部の設定ファイルの値で判断する
#28_Fakeデータを切り替える方法
#29_FakePathを設定ファイルとSharedに移す
#30_Fakeデータのバリエーション
#31_Shareクラスの活用方法
#32_ベースフォームを作る
#33_SharedにログインIDを記憶する
#34_BaseFormでログインユーザーを表示する
#35_ValueObject
#36_ValueObjectを作成する
#37_抽象クラスValueObjectを使用してイコールの問題の解消
#38_AreaIdにビジネスロジックを入れる
#39_AreaIdクラスをEntityに乗せる
#40_MeasureDateの作成
#41_MeasureValueの作成
#42_オブジェクト指向の自動化
#43_Repositoryの具象クラス
#44_例外処理
#45_例外の作成
#46_インナーエクセプション
#47_例外の欠点
#48_メッセージの区分
#49_エラー処理の共通化
#50_ログの出力
#51_タイマー処理はどこに置く?
#52_タイマークラスの作成
#53_StaticValues
#54_Logics
#55_Helpers
#56_Module
#57_トランザクションはどこでかける?
#58_特徴を見極める
#59_さいごに