リフレクション

C#文法 リフレクション F03_メソッドがオーバーロードされているときの指定方法

メソッドがオーバーロードされている場合の問題

これまでの解説では、Send メソッドを GetMethod で取得し、Invoke で実行するという流れを扱ってきました。対象となる Send メソッドが1つだけであれば、この方法で特に問題は起きません。

しかし、次のように引数違いの Send メソッドをもう1つ追加すると、状況が変わります。引数を受け取らない Send メソッドと、アドレスを引数に取る Send メソッドという、同じ名前で引数の異なる2つのメソッドが存在する状態です。

図:Send メソッドをオーバーロードしたコード

この状態で、これまでと同じようにメソッド名だけを指定して GetMethod を呼び出し、実行してみます。すると GetMethod の行で例外が発生してしまいます。該当するメソッドが複数存在し、どれを使えばよいか判断できない、という内容の AmbiguousMatchException です。メソッド名だけを指定する書き方では、オーバーロードされたメソッドを区別できないことが原因です。

図:GetMethod で AmbiguousMatchException が発生した状態

引数の型を指定してメソッドを特定する

このエラーを解消するには、GetMethod の第2引数に、呼び出したいメソッドの引数の型を指定します。引数を持たないメソッドを取得したい場合は、Type.EmptyTypes を指定します。これで、引数なし版の Send メソッドだけを一意に取得できるようになります。ここでは変数名を m0 とし、引数なしのメソッドであることがわかるようにしています。

図:Type.EmptyTypes を指定して引数なし版の Send を取得

続いて、引数あり版のメソッド(m1 とします)を取得します。第2引数には Type 型の配列を渡し、その中に呼び出したいメソッドの引数の型を typeof で指定します。今回は string 型の引数を1つ受け取るメソッドを呼び出したいので、typeof(string) を1つだけ配列に入れています。メソッドが複数の引数を持つ場合も考え方は同じで、string と int のように、呼び出したいメソッドの引数の型を順番にカンマ区切りで指定していけばよいということになります。

図:new Type[] { typeof(string) } を指定して引数あり版の Send を取得

引数ありメソッドの呼び出し

GetMethod で取得した MethodInfo を Invoke する際も、引数なしのときとは書き方が変わります。引数なしの場合は Invoke の第2引数に null を渡していましたが、引数ありの場合は、渡したいパラメータを object 型の配列にまとめて渡します。今回は string の引数が1つなので、object 配列の中にメールアドレスの文字列を1つだけ格納しています。

図:m1.Invoke に object 配列でパラメータを渡す

実行結果の確認

ここまでのコードを実行すると、出力ウィンドウに2行のメッセージが表示されます。引数なし版の Send と、メールアドレスを引数に取る Send が、それぞれ意図したとおりに呼び分けられていることが確認できます。

図:実行結果として2つの Send メソッドが呼び分けられている

まとめ

メソッドがオーバーロードされている場合、GetMethod にメソッド名だけを渡すと AmbiguousMatchException が発生します。これを避けるには、GetMethod の第2引数に呼び出したいメソッドの引数の型を指定します。引数なしのメソッドなら Type.EmptyTypes、引数ありのメソッドなら new Type[] { typeof(引数の型), … } という形です。

また、Invoke で実行する際も、引数なしなら第2引数に null を、引数ありなら object 配列で実際の値を渡します。この考え方を覚えておけば、オーバーロードされたメソッドであっても、リフレクション経由で狙ったメソッドを正しく呼び出せます。

リフレクション

はじめに
A01_はじめに
A02_コースの概要
Type
B01_Typeクラスとは
B02_型からTypeを取得する
B03_自前の型からTypeを取得する
B04_インスタンスからTypeを取得する
B05_Typeのインスタンスは1つだけ
Assembly
C01_Assemblyとは
C02_Assemblyの生成_実行中のアセンブリを取得
C03_Assemblyの生成_アセンブリ名で取得
C04_Assemblyの生成_パスを指定して取得
C05_Assemblyの生成_呼び出し元を取得
C06_Assemblyの生成_型から取得
C07_すべての型を取得する
C08_publicな型だけを取得する
C09_名前を指定して型を取得する
C10_メタ情報の取得
インスタンスの生成
D01_インスタンスの生成
D02_インスタンス生成後の具体例
D03_空のコンストラクタがないとエラーになる
D04_Activatorを使ったインスタンスの生成
D05_引数ありのコンストラクタで生成する方法
ConstructorInfo
E01_コンストラクタの情報を取得
E02_パラメータの情報を取得
E03_コンストラクタの情報からインスタンスを生成する
E04_コンストラクタを検索して生成する
E05_public以外のコンストラクタを取得
E06_staticなコンストラクタがある場合の注意点
E07_コンストラクタのアクセスレベルを取得する
MethodInfo
F01_MethodInfo
F02_引数ありのメソッド呼び出し
F03_メソッドがオーバーロードされているときの指定方法
F04_GetMethods
F05_属性で取得する
F06_staticメソッドを呼び出す
F07_戻り値を取得する
PropertyInfo
G01_PropertyInfo
G02_GetProperties
G03_属性を使ったチェック
G04_汎用的なチェックメソッド
G05_CanWrite

FieldInfo
H01_FieldInfo
H02_public以外のFieldInfo

EventInfo
J01_EventInfoとは
J02_AddEventHandler
J03_EventInfoの注意点
J04_RemoveEventHandler

dynamicを利用したリフレクション
K01_dynamicを利用したリフレクション
K02_dynamicを利用したメソッドの呼び方
K03_オーバーライドされたメソッドの呼び出し
K04_メソッドの存在チェック
K05_dynamicを利用したプロパティへのアクセス
K06_dynamicを利用したフィールドへのアクセス
K07_dynamicを利用したイベントへのアクセス