CanWriteとは
PropertyInfoにはCanWriteというプロパティが用意されています。これは、対象のプロパティに値を書き込めるかどうかをチェックするためのものです。
たとえばStockEntityクラスにStockTextというプロパティを作り、getのみでsetを持たない状態にしておきます。
StockTextプロパティ(getのみ、setなし)
public string StockText { get; }
setのないプロパティにSetValueすると例外になる
このgetのみのStockTextに対してPropertyInfo.SetValueを呼び出すとどうなるかを確認します。CanWriteでのチェックを行わずにSetValueをそのまま呼び出すと、setが存在しないため例外が発生します。
PropertyInfo p = t.GetProperty("StockText");
p.SetValue(instance, "AAA");
var value2 = p.GetValue(instance);
setを持たないプロパティにSetValueすると「ユーザーが処理していない例外」が発生する
getだけのプロパティにはそもそもsetが存在しないため、SetValueで書き込もうとすると当然ながら例外になります。この例外を発生させずに事前にチェックしたい場合に使うのがCanWriteです。
CanWriteで書き込み可否をチェックする
PropertyInfoにはCanWriteのほかにCanReadもありますが、getが存在しないプロパティは基本的にないため、実務上チェックする機会が多いのはCanWriteの方です。読み取りは基本的に誰でもできる一方で、書き込みができるかどうかはsetの有無によって制御されることが多いためです。
IntelliSenseからCanWriteを選択する
if文でp.CanWriteを判定し、trueのときだけSetValueを呼び出すようにコードを変更します。
PropertyInfo p = t.GetProperty("StockText");
if (p.CanWrite)
{
p.SetValue(instance, "AAA");
var value2 = p.GetValue(instance);
}
この状態でStockTextはgetのみのプロパティなので、CanWriteはfalseを返します。そのためif文の中には入らず、SetValueは実行されずに処理が通り抜けます。
CanWriteがfalseのため、if文の中を通らずに処理が終わる
setを付けるとCanWriteはtrueになる
試しにStockTextプロパティにsetを付けてみます。ここではpublicなsetではなく、あえてprivate setを指定します。
public string StockText { get; private set; }
StockTextにprivate setを追加する
この状態で実行すると、今度はCanWriteがtrueとなり、if文の中に処理が進んでSetValueが実行されます。value2にはSetValueで書き込んだ”AAA”が正しく格納されます。
private setを追加したことでCanWriteがtrueになり、if文の中でSetValueが実行される
private setでも書き込めることに注意
ここで注意したいのは、setがprivateであってもCanWriteはtrueを返し、SetValueも例外にならず書き込めてしまうという点です。
通常のC#のコードでは、private setは外部のクラスからアクセスできません。しかしReflectionを使う場合は、アクセスレベルに関係なくメンバーにアクセスできてしまうという特有の性質があります。そのため、private setにしておいても、Reflection経由であれば書き込みが可能になってしまいます。
本当に外部から書き込まれたくないプロパティであれば、setそのものを持たせずgetのみにしておく必要があります。getのみにしておけばCanWriteはfalseとなり、SetValueを呼び出すと例外になります。
まとめ
・PropertyInfo.CanWriteを使うと、対象のプロパティがsetを持っているかどうか(書き込み可能かどうか)を例外を出さずに事前にチェックできる。
・getのみのプロパティに対してCanWriteを使わずにSetValueを呼び出すと例外になる。
・private setであってもCanWriteはtrueとなり、SetValueで書き込めてしまう点に注意が必要(Reflectionはアクセスレベルの制約を受けない)。
・書き込みを完全に禁止したい場合は、setを持たせずgetのみのプロパティにしておく。
はじめに
A01_はじめに
A02_コースの概要
Type
B01_Typeクラスとは
B02_型からTypeを取得する
B03_自前の型からTypeを取得する
B04_インスタンスからTypeを取得する
B05_Typeのインスタンスは1つだけ
Assembly
C01_Assemblyとは
C02_Assemblyの生成_実行中のアセンブリを取得
C03_Assemblyの生成_アセンブリ名で取得
C04_Assemblyの生成_パスを指定して取得
C05_Assemblyの生成_呼び出し元を取得
C06_Assemblyの生成_型から取得
C07_すべての型を取得する
C08_publicな型だけを取得する
C09_名前を指定して型を取得する
C10_メタ情報の取得
インスタンスの生成
D01_インスタンスの生成
D02_インスタンス生成後の具体例
D03_空のコンストラクタがないとエラーになる
D04_Activatorを使ったインスタンスの生成
D05_引数ありのコンストラクタで生成する方法
ConstructorInfo
E01_コンストラクタの情報を取得
E02_パラメータの情報を取得
E03_コンストラクタの情報からインスタンスを生成する
E04_コンストラクタを検索して生成する
E05_public以外のコンストラクタを取得
E06_staticなコンストラクタがある場合の注意点
E07_コンストラクタのアクセスレベルを取得する
MethodInfo
F01_MethodInfo
F02_引数ありのメソッド呼び出し
F03_メソッドがオーバーロードされているときの指定方法
F04_GetMethods
F05_属性で取得する
F06_staticメソッドを呼び出す
F07_戻り値を取得する
PropertyInfo
G01_PropertyInfo
G02_GetProperties
G03_属性を使ったチェック
G04_汎用的なチェックメソッド
G05_CanWrite
FieldInfo
H01_FieldInfo
H02_public以外のFieldInfo
EventInfo
J01_EventInfoとは
J02_AddEventHandler
J03_EventInfoの注意点
J04_RemoveEventHandler
dynamicを利用したリフレクション
K01_dynamicを利用したリフレクション
K02_dynamicを利用したメソッドの呼び方
K03_オーバーライドされたメソッドの呼び出し
K04_メソッドの存在チェック
K05_dynamicを利用したプロパティへのアクセス
K06_dynamicを利用したフィールドへのアクセス
K07_dynamicを利用したイベントへのアクセス