今回は、dynamicを利用してイベントにアクセスする方法を見ていきます。これまでのReflectionの書き方では、EventInfoを使ってイベントへのアクセスを行ってきました。EventInfoのAddEventHandlerでハンドラーを追加し、RemoveEventHandlerで削除するという流れでしたが、dynamicを使うと、通常のActionなどにイベントを登録するときと同じように、+=や-=を使って書くことができます。
図1 K07:dynamicを利用したイベントへのアクセス
instance?.OnSend += AAA と書いてみる
まずはdynamicの変数instanceに対して、OnSendイベントに直接+=でハンドラーを登録してみます。以前も登場した、引数なし・戻り値なしのAAAというメソッドを指定します。
図2 instance?.OnSend += AAA と入力しているところ(AAAメソッドの候補が表示される)
instance?.OnSend += AAA;
ただし、これだけではコンパイルエラーになってしまいます。EventInfoのAddEventHandlerを使っていたときは、第2引数としてDelegate型を要求されていましたね。dynamicの場合は+=と書いているだけなので、コンパイラーからすると「これが何のデリゲート型なのか」が分からず、エラーになってしまうのです。
図3 instance?.OnSend += AAA; の下に赤い波線(エラー)が表示されている
Action型を明示して登録する
そこで、AAAをActionとして渡すということを、明示的に示してあげる必要があります。new Action(AAA)のようにAction型でラップしてから+=すれば、エラーはなくなります。
図4 instance?.OnSend += new Action(AAA); エラー数が0になっている
instance?.OnSend += new Action(AAA);
instance?.Send();
これでinstance経由でSendメソッドを呼び出し、動作を確認してみます。出力ウィンドウを見ると、send!!!!に続いてaaa call!!!!!も出力されており、登録したAAAメソッドがちゃんと動作していることが分かります。
図5 出力ウィンドウ:send!!!! の後に aaa call!!!!! が出力されている
-=でイベントを解除する
最後に、イベントの登録解除も確認しておきます。先ほどの2行をコピーして貼り付け、+=を-=に変更すれば解除になります。そのうえで、Sendをもう一度呼び出してみます。
図6 +=で登録・Send呼び出し → -=で解除・再度Send呼び出し、という4行のコード
instance?.OnSend += new Action(AAA);
instance?.Send();
instance?.OnSend -= new Action(AAA);
instance?.Send();
実行結果を見ると、1回目のSendではsend!!!!とaaa call!!!!!の両方が出力されますが、解除後の2回目のSendではsend!!!!だけが出力され、aaa call!!!!!は出力されません。これで、AAAイベントハンドラーがきちんと解除されていることが確認できます。
図7 出力ウィンドウ:send!!!! → aaa call!!!!! → send!!!!(解除後は aaa call が出ない)
このように、dynamicを利用すればEventInfoやAddEventHandler/RemoveEventHandlerを使わなくても、通常のイベント登録・解除と同じ+=/-=の書き方でイベントにアクセスできます。ぜひ試してみてください。
目次
はじめに
A01_はじめに
A02_コースの概要
Type
B01_Typeクラスとは
B02_型からTypeを取得する
B03_自前の型からTypeを取得する
B04_インスタンスからTypeを取得する
B05_Typeのインスタンスは1つだけ
Assembly
C01_Assemblyとは
C02_Assemblyの生成_実行中のアセンブリを取得
C03_Assemblyの生成_アセンブリ名で取得
C04_Assemblyの生成_パスを指定して取得
C05_Assemblyの生成_呼び出し元を取得
C06_Assemblyの生成_型から取得
C07_すべての型を取得する
C08_publicな型だけを取得する
C09_名前を指定して型を取得する
C10_メタ情報の取得
インスタンスの生成
D01_インスタンスの生成
D02_インスタンス生成後の具体例
D03_空のコンストラクタがないとエラーになる
D04_Activatorを使ったインスタンスの生成
D05_引数ありのコンストラクタで生成する方法
ConstructorInfo
E01_コンストラクタの情報を取得
E02_パラメータの情報を取得
E03_コンストラクタの情報からインスタンスを生成する
E04_コンストラクタを検索して生成する
E05_public以外のコンストラクタを取得
E06_staticなコンストラクタがある場合の注意点
E07_コンストラクタのアクセスレベルを取得する
MethodInfo
F01_MethodInfo
F02_引数ありのメソッド呼び出し
F03_メソッドがオーバーロードされているときの指定方法
F04_GetMethods
F05_属性で取得する
F06_staticメソッドを呼び出す
F07_戻り値を取得する
PropertyInfo
G01_PropertyInfo
G02_GetProperties
G03_属性を使ったチェック
G04_汎用的なチェックメソッド
G05_CanWrite
FieldInfo
H01_FieldInfo
H02_public以外のFieldInfo
EventInfo
J01_EventInfoとは
J02_AddEventHandler
J03_EventInfoの注意点
J04_RemoveEventHandler
dynamicを利用したリフレクション
K01_dynamicを利用したリフレクション
K02_dynamicを利用したメソッドの呼び方
K03_オーバーライドされたメソッドの呼び出し
K04_メソッドの存在チェック
K05_dynamicを利用したプロパティへのアクセス
K06_dynamicを利用したフィールドへのアクセス
K07_dynamicを利用したイベントへのアクセス