今回は、staticメソッドをリフレクションで呼び出す方法を見ていきます。これまではSendのような普通のinstanceメソッドを呼び出してきましたが、対象がstaticメソッドの場合にどう変わるのかを確認します。
今回のテーマ「staticメソッドを呼び出す」
static版のTestSendメソッドを用意する
まずは呼び出し対象として、MailServiceクラスにpublic static void TestSend()というstaticメソッドを追加します。中身はDebug.WriteLineで文字列を出力するだけのシンプルな内容です。
MailServiceクラスにpublic static void TestSend()を追加する
中身にはDebug.WriteLine(“test send!!!!”);を1行書くだけです。これがstaticメソッドとして呼び出す対象になります。
TestSendの中身。Debug.WriteLineで文字列を出力するだけの処理
AssemblyとTypeを取得する
AssemblyとTypeの取得方法はこれまでと同じです。Assembly.Loadでアセンブリを取得し、そこからGetTypeで対象のTypeを取得します。ここまではinstanceメソッドを呼び出すときの手順と変わりません。
GetMethodでMethodInfoを取得し、Invokeを呼び出す
TypeのGetMethodにTestSendというメソッド名を指定して、MethodInfoを取得します。ここまでの流れもこれまでと同じです。違いが出るのはこのあとのInvokeの呼び出し方です。
MethodInfo m = t.GetMethod(“TestSend”); のあとm.Invoke()と書き始めたところ
Invokeの第1引数はnullでよい
これまでinstanceメソッドを呼び出すときは、Invokeの第1引数にActivator.CreateInstanceなどで生成したクラスのインスタンスを渡していました。しかしstaticメソッドの場合、どのクラスのどのメソッドかという情報はMethodInfoの時点で既に分かっているため、クラスのインスタンスは不要です。そのためInvokeの第1引数はnullを渡すだけで構いません。第2引数は呼び出すメソッドの引数を渡す場所なので、引数がない場合はこちらもnullにしておきます。
完成したコード。m.Invoke(null, null); のように第1引数・第2引数ともnullを渡す
instanceメソッドとの違いは、この第1引数にクラスのインスタンスを渡すかどうかだけです。staticメソッドの場合はインスタンスを生成する処理そのものが不要になるので、その分手間が一つ省けることになります。
実行結果を確認する
それでは実際に実行して確認してみましょう。フォーム上の「staticメソッドの呼び出し」ボタンをクリックします。
フォーム上の「staticメソッドの呼び出し」ボタンをクリックして実行する
出力ウィンドウにtest send!!!!と表示され、staticメソッドのTestSendが正しく呼び出されたことが確認できます。
実行結果。出力ウィンドウにtest send!!!!と表示され、TestSendが呼び出されたことが分かる
オーバーロードされている場合の注意点
以前のオーバーロード解説でも触れたとおり、同じ名前のメソッドが複数ある場合はGetMethodの第2引数にTypeを指定して絞り込む必要があります。Type.EmptyTypesで引数なしの版を、new Type[]{typeof(string)}のような形で引数ありの版を指定するやり方は、instanceメソッドでもstaticメソッドでも変わりません。
まとめ
staticメソッドをリフレクションで呼び出す場合、GetMethodでMethodInfoを取得するところまではinstanceメソッドと同じですが、Invokeの第1引数にはクラスのインスタンスではなく、必ずnullを渡します。この第1引数がnullでよいという点だけを覚えておけば、staticメソッドの呼び出しも迷わず行えます。
はじめに
A01_はじめに
A02_コースの概要
Type
B01_Typeクラスとは
B02_型からTypeを取得する
B03_自前の型からTypeを取得する
B04_インスタンスからTypeを取得する
B05_Typeのインスタンスは1つだけ
Assembly
C01_Assemblyとは
C02_Assemblyの生成_実行中のアセンブリを取得
C03_Assemblyの生成_アセンブリ名で取得
C04_Assemblyの生成_パスを指定して取得
C05_Assemblyの生成_呼び出し元を取得
C06_Assemblyの生成_型から取得
C07_すべての型を取得する
C08_publicな型だけを取得する
C09_名前を指定して型を取得する
C10_メタ情報の取得
インスタンスの生成
D01_インスタンスの生成
D02_インスタンス生成後の具体例
D03_空のコンストラクタがないとエラーになる
D04_Activatorを使ったインスタンスの生成
D05_引数ありのコンストラクタで生成する方法
ConstructorInfo
E01_コンストラクタの情報を取得
E02_パラメータの情報を取得
E03_コンストラクタの情報からインスタンスを生成する
E04_コンストラクタを検索して生成する
E05_public以外のコンストラクタを取得
E06_staticなコンストラクタがある場合の注意点
E07_コンストラクタのアクセスレベルを取得する
MethodInfo
F01_MethodInfo
F02_引数ありのメソッド呼び出し
F03_メソッドがオーバーロードされているときの指定方法
F04_GetMethods
F05_属性で取得する
F06_staticメソッドを呼び出す
F07_戻り値を取得する
PropertyInfo
G01_PropertyInfo
G02_GetProperties
G03_属性を使ったチェック
G04_汎用的なチェックメソッド
G05_CanWrite
FieldInfo
H01_FieldInfo
H02_public以外のFieldInfo
EventInfo
J01_EventInfoとは
J02_AddEventHandler
J03_EventInfoの注意点
J04_RemoveEventHandler
dynamicを利用したリフレクション
K01_dynamicを利用したリフレクション
K02_dynamicを利用したメソッドの呼び方
K03_オーバーライドされたメソッドの呼び出し
K04_メソッドの存在チェック
K05_dynamicを利用したプロパティへのアクセス
K06_dynamicを利用したフィールドへのアクセス
K07_dynamicを利用したイベントへのアクセス