属性を使ったチェックを汎用化する
前回のレクチャーでは、独自属性を使ったチェックを実装しました。GetCustomAttributeで属性を取得し、値をチェックするという流れです。ただし、前回のコードではチェック対象のインスタンスをその場で生成していました。
しかし、実際の開発シナリオでは、すでに存在するインスタンスをチェックする形になることがほとんどです。そこで今回は、インスタンスを渡してチェックするメソッドとして汎用化していきます。
CheckStockEntityメソッドを作成する
まず、private void CheckStockEntity(StockEntity entity) というメソッドを新たに作成します。StockEntity型のインスタンスentityを受け取り、そのメソッドの中でチェックを行うという設計です。
使う側は、何らかのStockEntityのインスタンスを自分で持っていて、StockNameなどのプロパティに値をセットした状態でこのメソッドを呼び出し、チェックしてもらうという流れになります。例外が発生した場合は、呼び出し側でcatchして処理する想定です。
CheckStockEntity(StockEntity entity)メソッドを新規に作成する
属性チェックのロジックを移植する
前回実装した属性を使ったチェックの中身をすべてコピーし、CheckStockEntityメソッドに貼り付けます。
前回実装した、属性を使ったチェックのコード
try catchはイベント側、つまり呼び出し側でかけてもらう想定のため、メソッド側では不要になります。まずはこの部分を削除します。
貼り付け直後のコード。まだAssemblyやTypeの取得部分が残っている
続いて、Entityを受け取って処理する流れに変わったため、メソッド内でインスタンスを生成していた部分は不要になります。AssemblyもTypeも、すでにEntityから分かっているため、これらの行も削除します。
すると、これまでインスタンスを参照していた箇所がコンパイルエラーになるので、渡されてきたentityに置き換えます。同様に、変数tやTypeを参照していた箇所もコンパイルエラーになるため、entity.GetType()に置き換えます。entityの型はStockEntityなので、StockEntityが持つすべてのプロパティを順番にチェックしていく処理になります。
entityとentity.GetType()に置き換えた、汎用的なチェックメソッド
呼び出し側から利用する
実際に使う側のコードでは、StockEntityのインスタンスを生成し、StockNameプロパティに値をセットしたうえで、CheckStockEntity(entity)を呼び出します。例外が発生した場合はcatch (Exception ex)でMessageBox.Show(ex.Message)によりメッセージを表示します。
呼び出し側でCheckStockEntityメソッドを利用するコード
実行結果を確認する
実際にStockNameへ11文字の文字列を設定して実行してみます。StockNameプロパティに設定されているMaxLengthAttributeの上限は5文字のため、実行するとチェックに引っかかり、「オーバーしています11 上限:5」というメッセージが表示されます。
実行結果。11文字のStockNameが上限5文字を超えていることを検出している
既存のインスタンスを渡すだけでチェックが行えることが確認できました。
まとめ
このように、何らかの作業中のインスタンスが渡されてきて、それをチェックするというイメージのメソッドにすることで、前回の属性ベースのチェックロジックを、実際の開発シナリオにより近い形で再利用できるようになります。
はじめに
A01_はじめに
A02_コースの概要
Type
B01_Typeクラスとは
B02_型からTypeを取得する
B03_自前の型からTypeを取得する
B04_インスタンスからTypeを取得する
B05_Typeのインスタンスは1つだけ
Assembly
C01_Assemblyとは
C02_Assemblyの生成_実行中のアセンブリを取得
C03_Assemblyの生成_アセンブリ名で取得
C04_Assemblyの生成_パスを指定して取得
C05_Assemblyの生成_呼び出し元を取得
C06_Assemblyの生成_型から取得
C07_すべての型を取得する
C08_publicな型だけを取得する
C09_名前を指定して型を取得する
C10_メタ情報の取得
インスタンスの生成
D01_インスタンスの生成
D02_インスタンス生成後の具体例
D03_空のコンストラクタがないとエラーになる
D04_Activatorを使ったインスタンスの生成
D05_引数ありのコンストラクタで生成する方法
ConstructorInfo
E01_コンストラクタの情報を取得
E02_パラメータの情報を取得
E03_コンストラクタの情報からインスタンスを生成する
E04_コンストラクタを検索して生成する
E05_public以外のコンストラクタを取得
E06_staticなコンストラクタがある場合の注意点
E07_コンストラクタのアクセスレベルを取得する
MethodInfo
F01_MethodInfo
F02_引数ありのメソッド呼び出し
F03_メソッドがオーバーロードされているときの指定方法
F04_GetMethods
F05_属性で取得する
F06_staticメソッドを呼び出す
F07_戻り値を取得する
PropertyInfo
G01_PropertyInfo
G02_GetProperties
G03_属性を使ったチェック
G04_汎用的なチェックメソッド
G05_CanWrite
FieldInfo
H01_FieldInfo
H02_public以外のFieldInfo
EventInfo
J01_EventInfoとは
J02_AddEventHandler
J03_EventInfoの注意点
J04_RemoveEventHandler
dynamicを利用したリフレクション
K01_dynamicを利用したリフレクション
K02_dynamicを利用したメソッドの呼び方
K03_オーバーライドされたメソッドの呼び出し
K04_メソッドの存在チェック
K05_dynamicを利用したプロパティへのアクセス
K06_dynamicを利用したフィールドへのアクセス
K07_dynamicを利用したイベントへのアクセス