前回はAddEventHandlerを使ってイベントを登録する方法を確認しました。今回はその際の注意点として、イベントを定義する側に必要な「event」キーワードについて見ていきます。
図:前回確認したEventInfo・AddEventHandlerによるイベント登録コード
eventキーワードが必要
MailServiceクラス側では、public event Action OnSend; のように「event」キーワードを付けてイベントを宣言していました。この「event」キーワードがないと、GetEventでイベント情報を取得する際にエラーになってしまいます。実際に試してみましょう。
図:MailService.csでOnSendに付けられているeventキーワード
eventキーワードを外して実行してみる
試しに「event」キーワードを消し、public Action OnSend; という宣言に変更してみます。Action型のフィールドとしては問題なくコンパイルできますが、この状態で実行するとどうなるか確認します。
図:eventキーワードを外したOnSendの宣言
この状態で実行すると、AddEventHandlerを呼び出している行で例外が発生します。ウォッチ式で確認すると、GetEventで取得したはずの変数eiがnullになっていることが分かります。GetEventはevent修飾子が付いているメンバーだけを対象に検索するため、eventキーワードがないフィールドはそもそも見つからず、eiにnullが代入されてしまうのです。その結果、null状態のeiに対してAddEventHandlerを呼び出そうとしてNullReferenceExceptionになります。
図:eiがnullとなりAddEventHandlerでNullReferenceExceptionが発生した様子
eventキーワードを元に戻す
原因が分かったところで、eventキーワードを元通りに付け直します。public event Action OnSend; の形に戻すことで、GetEventが正しくEventInfoを取得できるようになります。
図:eventキーワードを付け直したOnSendの宣言
この状態で改めて実行すると、AddEventHandlerでエラーにならず、Sendメソッド経由でOnSendイベントが発火し、ハンドラであるAAAメソッドの中身がきちんと出力されることを確認できます。
図:eventキーワードを付けた状態で正常に実行され、出力ウィンドウに結果が表示された様子
まとめ
GetEventでEventInfoを取得するには、対象のメンバーに「event」キーワードが付いている必要があります。event キーワードがないと GetEvent は該当するメンバーを見つけられず、戻り値はnullになります。その状態でAddEventHandlerなどを呼び出すとNullReferenceExceptionになるので、Reflectionでイベントを扱う際は、対象のフィールドがevent キーワード付きで宣言されているかをまず確認するようにしてください。
目次
はじめに
A01_はじめに
A02_コースの概要
Type
B01_Typeクラスとは
B02_型からTypeを取得する
B03_自前の型からTypeを取得する
B04_インスタンスからTypeを取得する
B05_Typeのインスタンスは1つだけ
Assembly
C01_Assemblyとは
C02_Assemblyの生成_実行中のアセンブリを取得
C03_Assemblyの生成_アセンブリ名で取得
C04_Assemblyの生成_パスを指定して取得
C05_Assemblyの生成_呼び出し元を取得
C06_Assemblyの生成_型から取得
C07_すべての型を取得する
C08_publicな型だけを取得する
C09_名前を指定して型を取得する
C10_メタ情報の取得
インスタンスの生成
D01_インスタンスの生成
D02_インスタンス生成後の具体例
D03_空のコンストラクタがないとエラーになる
D04_Activatorを使ったインスタンスの生成
D05_引数ありのコンストラクタで生成する方法
ConstructorInfo
E01_コンストラクタの情報を取得
E02_パラメータの情報を取得
E03_コンストラクタの情報からインスタンスを生成する
E04_コンストラクタを検索して生成する
E05_public以外のコンストラクタを取得
E06_staticなコンストラクタがある場合の注意点
E07_コンストラクタのアクセスレベルを取得する
MethodInfo
F01_MethodInfo
F02_引数ありのメソッド呼び出し
F03_メソッドがオーバーロードされているときの指定方法
F04_GetMethods
F05_属性で取得する
F06_staticメソッドを呼び出す
F07_戻り値を取得する
PropertyInfo
G01_PropertyInfo
G02_GetProperties
G03_属性を使ったチェック
G04_汎用的なチェックメソッド
G05_CanWrite
FieldInfo
H01_FieldInfo
H02_public以外のFieldInfo
EventInfo
J01_EventInfoとは
J02_AddEventHandler
J03_EventInfoの注意点
J04_RemoveEventHandler
dynamicを利用したリフレクション
K01_dynamicを利用したリフレクション
K02_dynamicを利用したメソッドの呼び方
K03_オーバーライドされたメソッドの呼び出し
K04_メソッドの存在チェック
K05_dynamicを利用したプロパティへのアクセス
K06_dynamicを利用したフィールドへのアクセス
K07_dynamicを利用したイベントへのアクセス