今回はpublicなフィールド以外を対象にした、FieldInfoの使い方を見ていきます。前章のH01では、public string MailTextのようなpublicフィールドをGetFieldで取得しましたが、実際のクラス設計ではフィールドはprivateにするのが一般的です。ここでは、privateなフィールドに対してReflectionでアクセスできるかどうかを確認していきます。
privateなフィールドを用意する
まずMailServiceクラスに、privateなフィールドを追加します。private string _myTextとし、初期値は”XXX”としておきます。
MailServiceにprivate string _myText = “XXX”を追加
そのままGetFieldで取得しようとする
アクセスできるかどうかを試すため、前回(H01)のGetFieldまでの4行をコピーして、新しいボタンに貼り付けます。GetFieldの引数を、今追加した_myTextに書き換えます。
var a = Assembly.Load("Anderson.Domain");
var t = a.GetType("Anderson.Domain.MailService");
var instance = Activator.CreateInstance(t);
FieldInfo? f = t.GetField("_myText");
var value = f.GetValue(instance);
H01と同じ書き方でGetField(“_myText”)を呼び出す
実行すると例外になる
この状態で実行すると、f.GetValue(instance)の行で例外が発生します。System.NullReferenceExceptionで、「fがnullでした」という内容です。つまりGetFieldの時点でfが取得できていないということになります。
これは、GetFieldがデフォルトの状態ではpublicなフィールドだけを対象にしているためです。public以外のフィールドを取得したい場合は、GetFieldの第2引数にBindingFlagsを指定してあげる必要があります。
f.GetValueでSystem.NullReferenceException(fがnullでした)
BindingFlags.NonPublicを指定する
public以外を取得したいので、BindingFlags.NonPublicを指定してみます。ところが、これだけではまだ取得できません。fは引き続きnullのままです。
BindingFlagsはInstance(インスタンスメンバー)かStatic(staticメンバー)のどちらかも合わせて指定する必要があります。今回の_myTextはstaticと書かれていないのでInstanceになります。そこでパイプ(|)でつないで、BindingFlags.NonPublic | BindingFlags.Instanceのように指定します。
BindingFlags.NonPublic | BindingFlags.Instanceを指定する
NonPublicとInstanceの両方を指定して取得する
FieldInfo? f = t.GetField(“_myText”,
BindingFlags.NonPublic | BindingFlags.Instance);
var value = f.GetValue(instance);
GetFieldの第2引数にNonPublic | Instanceを指定した状態
GetValueとSetValueで値を取得・設定する
この状態で実行すると、今度はfが正しく取得でき、GetValueで値(”XXX”)が取れてきます。続けてSetValueも試してみます。値を”YYY”に書き換えたあと、もう一度GetValueして2回目の値を確認します。
FieldInfo? f = t.GetField(“_myText”,
BindingFlags.NonPublic | BindingFlags.Instance);
var value = f.GetValue(instance);
f.SetValue(instance, “YYY”);
var value2 = f.GetValue(instance);
f.SetValueを呼び出して値を書き換える
実行結果の確認
実行すると、最初に取得したvalueは”XXX”、SetValueで書き換えたあとのvalue2は”YYY”になっています。SetValueがきちんと効いていることが確認できました。
GetField〜SetValue〜GetValueまでの完成コード
まとめ
このように、privateなフィールドであってもReflectionを使えばアクセスすることができます。デフォルトのGetFieldはpublicのみが対象なので、public以外を取得したいときはBindingFlags.NonPublicと、InstanceまたはStaticをパイプでつないで第2引数に指定します。通常のコードではpublicなメンバーだけを扱うことがほとんどですが、こういった使い方もできるということを覚えておいてください。
目次
はじめに
A01_はじめに
A02_コースの概要
Type
B01_Typeクラスとは
B02_型からTypeを取得する
B03_自前の型からTypeを取得する
B04_インスタンスからTypeを取得する
B05_Typeのインスタンスは1つだけ
Assembly
C01_Assemblyとは
C02_Assemblyの生成_実行中のアセンブリを取得
C03_Assemblyの生成_アセンブリ名で取得
C04_Assemblyの生成_パスを指定して取得
C05_Assemblyの生成_呼び出し元を取得
C06_Assemblyの生成_型から取得
C07_すべての型を取得する
C08_publicな型だけを取得する
C09_名前を指定して型を取得する
C10_メタ情報の取得
インスタンスの生成
D01_インスタンスの生成
D02_インスタンス生成後の具体例
D03_空のコンストラクタがないとエラーになる
D04_Activatorを使ったインスタンスの生成
D05_引数ありのコンストラクタで生成する方法
ConstructorInfo
E01_コンストラクタの情報を取得
E02_パラメータの情報を取得
E03_コンストラクタの情報からインスタンスを生成する
E04_コンストラクタを検索して生成する
E05_public以外のコンストラクタを取得
E06_staticなコンストラクタがある場合の注意点
E07_コンストラクタのアクセスレベルを取得する
MethodInfo
F01_MethodInfo
F02_引数ありのメソッド呼び出し
F03_メソッドがオーバーロードされているときの指定方法
F04_GetMethods
F05_属性で取得する
F06_staticメソッドを呼び出す
F07_戻り値を取得する
PropertyInfo
G01_PropertyInfo
G02_GetProperties
G03_属性を使ったチェック
G04_汎用的なチェックメソッド
G05_CanWrite
FieldInfo
H01_FieldInfo
H02_public以外のFieldInfo
EventInfo
J01_EventInfoとは
J02_AddEventHandler
J03_EventInfoの注意点
J04_RemoveEventHandler
dynamicを利用したリフレクション
K01_dynamicを利用したリフレクション
K02_dynamicを利用したメソッドの呼び方
K03_オーバーライドされたメソッドの呼び出し
K04_メソッドの存在チェック
K05_dynamicを利用したプロパティへのアクセス
K06_dynamicを利用したフィールドへのアクセス
K07_dynamicを利用したイベントへのアクセス