今回はFieldInfoについて解説していきます。FieldInfoは、以前解説したPropertyInfoと同じように、Reflectionを使ってフィールドにアクセスするための仕組みです。
基本的にはpublicなフィールドにアクセスすることになりますが、コーディングルールとしてpublicなメンバーはプロパティやメソッドとして公開するのが一般的です。カプセル化を考えると、publicなフィールドをそのまま持つクラスというのはほとんど存在しません。ただし、constやstatic readonlyといった変更されない値については、フィールドとして公開することもあります。そういったケースを想定しつつ、FieldInfoの使い方を確認していきます。
図8-1 constやstatic readonlyのようなケースではフィールドを使うこともある
8.2 デモ用のフィールドを用意する
まずはアクセス対象となるフィールドを用意します。MailServiceクラスに、public string MailTextというフィールドを追加します。通常であればプロパティにするところですが、今回はFieldInfoの使い方を解説する目的で、あえてpublicなフィールドとして定義します。
図8-2 MailServiceクラスにpublic string MailTextフィールドを追加する
8.3 Assembly・Type・インスタンスを取得する
フィールドにアクセスする手順は、これまでのConstructorInfoやMethodInfo、PropertyInfoのときと同様です。まずAssemblyとTypeを取得し、そこからインスタンスを生成します。前回までに使ってきた3行をそのまま持ってきて、クラス名の部分だけMailServiceに変更します。
var a = Assembly.Load("Anderson.Domain");
var t = a.GetType("Anderson.Domain.MailService");
var instance = Activator.CreateInstance(t);
8.4 GetFieldとGetFields
Typeクラスには、フィールド情報を取得するためのメソッドとしてGetFieldとGetFieldsが用意されています。GetFields(複数形)を使うと、そのクラスが持つフィールドの一覧をFieldInfo配列として取得できます。一方、GetField(単数形)を使うと、文字列で指定した名前に一致するフィールドのFieldInfoを1つだけ取得できます。
図8-3 GetField(単数)とGetFields(複数)の候補が表示される
今回はMailTextという名前を指定して、対応するFieldInfoを1つ取得します。戻り値の型はFieldInfoで、該当するフィールドが見つからない場合はnullが返ってきます。実際にコードを書くときは、このNULLチェックを忘れずに行うようにしてください。
図8-4 t.GetField(“MailText”)で名前を指定してFieldInfoを取得する
var a = Assembly.Load("Anderson.Domain");
var t = a.GetType("Anderson.Domain.MailService");
var instance = Activator.CreateInstance(t);
FieldInfo f = t.GetField("MailText");
図8-5 Assembly・Type・インスタンス取得の3行とGetFieldの呼び出し
8.5 値を取得する(GetValue)
FieldInfoを取得できたら、値の取得・設定を行います。これはPropertyInfoのときと同じで、値を取得するときはGetValue、値を設定するときはSetValueを使います。まずはGetValueにインスタンスを渡して、現在の値を取得してみます。あらかじめMailTextの初期値を”BBB”にしておきます。
図8-6 f.GetValue(instance)でフィールドの値を取得する
var a = Assembly.Load("Anderson.Domain");
var t = a.GetType("Anderson.Domain.MailService");
var instance = Activator.CreateInstance(t);
FieldInfo f = t.GetField("MailText");
var value = f.GetValue(instance);
図8-7 GetValueまでを実装したコード全体
これを実行してブレークポイントで確認すると、valueに”BBB”が取得できていることが分かります。
図8-8 valueに初期値”BBB”が取得されている
8.6 値を設定する(SetValue)
次に、値を設定してみます。設定するときはSetValueを使い、1つ目の引数にインスタンス、2つ目の引数に設定したい値を渡します。ここではMailTextの値を”CCC”に変更してみます。
図8-9 f.SetValue(instance, “CCC”)で値を設定する
設定した値がきちんと反映されているかを確認するために、もう一度GetValueを呼び出してvalue2に取得します。
var a = Assembly.Load("Anderson.Domain");
var t = a.GetType("Anderson.Domain.MailService");
var instance = Activator.CreateInstance(t);
FieldInfo f = t.GetField("MailText");
var value = f.GetValue(instance);
f.SetValue(instance, "CCC");
var value2 = f.GetValue(instance);
実行すると、1つ目のvalueは”BBB”のまま、SetValueで”CCC”に変更した後のvalue2は”CCC”になっていることが確認できます。
図8-10 SetValue実行後、value2が”CCC”に変わっていることを確認する
8.7 まとめ
FieldInfoを使うと、PropertyInfoと同じ感覚でフィールドに対してもリフレクション経由でアクセスできます。GetFieldsで一覧を取得する、GetFieldで名前を指定して1つだけ取得する、GetValue/SetValueで値の取得・設定を行うという流れは、これまで見てきたPropertyInfoの使い方とほぼ同じです。実際にpublicなフィールドを使う場面は多くありませんが、constやstatic readonlyなフィールドにアクセスしたい場合などに、この仕組みを活用してみてください。
目次
はじめに
A01_はじめに
A02_コースの概要
Type
B01_Typeクラスとは
B02_型からTypeを取得する
B03_自前の型からTypeを取得する
B04_インスタンスからTypeを取得する
B05_Typeのインスタンスは1つだけ
Assembly
C01_Assemblyとは
C02_Assemblyの生成_実行中のアセンブリを取得
C03_Assemblyの生成_アセンブリ名で取得
C04_Assemblyの生成_パスを指定して取得
C05_Assemblyの生成_呼び出し元を取得
C06_Assemblyの生成_型から取得
C07_すべての型を取得する
C08_publicな型だけを取得する
C09_名前を指定して型を取得する
C10_メタ情報の取得
インスタンスの生成
D01_インスタンスの生成
D02_インスタンス生成後の具体例
D03_空のコンストラクタがないとエラーになる
D04_Activatorを使ったインスタンスの生成
D05_引数ありのコンストラクタで生成する方法
ConstructorInfo
E01_コンストラクタの情報を取得
E02_パラメータの情報を取得
E03_コンストラクタの情報からインスタンスを生成する
E04_コンストラクタを検索して生成する
E05_public以外のコンストラクタを取得
E06_staticなコンストラクタがある場合の注意点
E07_コンストラクタのアクセスレベルを取得する
MethodInfo
F01_MethodInfo
F02_引数ありのメソッド呼び出し
F03_メソッドがオーバーロードされているときの指定方法
F04_GetMethods
F05_属性で取得する
F06_staticメソッドを呼び出す
F07_戻り値を取得する
PropertyInfo
G01_PropertyInfo
G02_GetProperties
G03_属性を使ったチェック
G04_汎用的なチェックメソッド
G05_CanWrite
FieldInfo
H01_FieldInfo
H02_public以外のFieldInfo
EventInfo
J01_EventInfoとは
J02_AddEventHandler
J03_EventInfoの注意点
J04_RemoveEventHandler
dynamicを利用したリフレクション
K01_dynamicを利用したリフレクション
K02_dynamicを利用したメソッドの呼び方
K03_オーバーライドされたメソッドの呼び出し
K04_メソッドの存在チェック
K05_dynamicを利用したプロパティへのアクセス
K06_dynamicを利用したフィールドへのアクセス
K07_dynamicを利用したイベントへのアクセス